ポートフォリオ理論をわかりやすく解説(4)- 「効率的フロンティア」とは?

資産運用をおこなうことを考えた場合に、もっとも重要となる分散投資について、理解するために、ポートフォリオ理論をわかりやすく解説していきます。

過去3回の記事を読んでいないかたは、以下の記事をどうぞ。

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3回目の記事で、2つのリスク・リターン特性の異なる資産を組み合わせることで、それらの資産とは異なるリスク・リターン特性をもったポートフォリオを作ることができること。

それから、2つの資産の「相関係数」が1よりも少ない場合、リターン(期待収益率)を一定に保ったまま、リスク(標準偏差)を減らせる可能性があることをみてきました。

今回は、もっとたくさんの資産を組み入れた場合の最適な、資産の組み合わせである「効率的フロンティア」について、みていきたいと思います。

効率的フロンティアとは何か?
複数の資産を組み合わせる場合、その組み合わせは無数に存在します。その中で、効率的な組み合わせを結んだ曲線を「効率的フロンティア」といいます。

具体的には、以下のような条件を満たす組み合わせです。

①同じリターンであれば、リスクが最も小さい。
②同じリスクであれば、リターンが最も大きい。

第3回でみたように、「相関係数」が1でない複数の資産を組み合わせると、そのポートフォリオのリスク(標準偏差)は、単純に各資産それぞれのリスク(標準偏差)を構成比で加重平均した数値を下回ることになります。これが資産分散効果によるリスクの低減です。

上の図は、様々な資産を組み入れた場合の、リスク・リターンの組み合わせの点をプロットしたものです。もっとも効率的なリスク・リターンの組み合わせは、上記の図のなかの上のほうの端をつなげた線になります。これを「効率的フロンティア」といいます。

自分の運用目標やリスク許容度などを考慮したうえで、「効率的フロンティア」上から最適な資産構成を選択することになります。

資産の種類を分散する以外に、リスク(標準偏差)を減らす方法がありますので、そちらもみていきます。

リスク(標準偏差)の時間的分散効果とは?
毎月定額を投資に回す積立投資もリスク(標準偏差)を減らす効果があることが知られています。
感覚的に、毎月投資を継続的に行うことで、平均取得価格が中長期的にならされていくため、大きく利益がでないかわりに、大きく損失もでないことが、わかります。

リスクの時間分散効果は、投資期間が長くなるにつれて年率のリスクが小さくなることです。

N年間投資する場合のリスク(標準偏差)の年率は、標準偏差÷√Nで計算されます。

例えば、1年間のリターンが8%、リスクが20%である場合、期間を2年間にすると、

リターンは、16%(8%×2)、リスクは28.3%(20%×√2)となります。

3年にすると、リターンは24%(8%×3)、リスクは34.6%(20%×√3)となります。

N年にすると、リターンは、8%×Nとなり、リスクは20%×√Nになります。

これを1年あたりに引き直すと、リターンは8%、リスクは、20%/ √Nになります。

25年投資した場合には、リスクは20% / √25で、4%に低減されることになります。理論的には、25年の長期投資を行うことで、リスクを5分の1にすることができます。

時間的分散は、資産の分散とともに資産運用のリスクを考える場合、重要な考え方であると言われています。

それで、実際どのように資産運用するればいいのか?
ポートフォリオ理論の基本的な考え方を、みてきましたが、大まかな内容について理解していただけたらうれしいです。

で、次に

「ポートフォリオ理論の基本的な考え方は、わかりました。でも、理論はわかったけど本当にこれって実際に使えるものなの? 使うとしてどのように使えばいいの?」という疑問が、ふつふつと、湧いてくるのではないでしょうか。

次回以降、実際どのように、ポートフォリオ理論を個人の資産運用に活用していくか、考えてみたいと思います。

 

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