ESG投資シリーズ③ ESG投資とSDGsの関係をサクッと説明できますか?

前回「なぜ今、欧米諸国、それから日本でESG投資というものに注目が集まっているのか?」について、みてみました。

まずは、ESG投資がどのような課題を解決しようとしているのか?その本質を理解することが大切だと思います。まだ読んでいない方はどうぞ。

ESG投資シリーズ① なぜ今、日本でもESG投資なのか?

ESG投資シリーズ② なぜ欧米諸国でESG投資が普及したのか?

PRI、サステナブル投資、SRI、CSRやそれからSDGsなど、ESG周辺にはいろいろなイニシアティブや専門用語があり、それぞれの経緯や意味すること、関係性などを理解している人は少ないのではないのでしょうか。

これらの関係性を理解することもESG投資を理解するうえで、大切だと思うので、今回、ESG投資とSDGsの関係についてみていきます。

SDGsとは?

2015年の国連サミットに採択されたもので、2030年までに国連加盟国が達成すべきSustainable development goals  (SDGs)のことをいいます。

民間企業を課題解決の主体として位置付けている点が大きな特徴です。

Sustainable developmentとは、以下のように定義されています。
Sustainable development has been defined as development that meets the needs of the present without compromising the ability of future generations to meet their own needs. ぼくは、この「将来の世代を犠牲にしない」というコンセプトが好きです。いいですね。

環境問題にしても、世界が抱えている社会的な問題(年金問題等)にしても、現役世代が将来世代に負担を押し付けていることが、たくさんあると思います。

また、国連加盟国のトップによるinitiativeで、加盟国がコミットメントしているという点が、非常に意義があることだと思います。

というのも、各国において、トップダウンでSDGs達成に向けた政策が導入されることが期待されるからです。

具体的には、以下の17分野の目標と169項目のターゲット(達成基準)が設定されています。

1貧困をなくそう
2飢餓をゼロに
3すべての人に健康と福祉を
4質の高い教育をみんなに
5ジェンダー平等を実現しよう
6安全な水とトイレを世界中に
7エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8働きがいも経済成長も
9産業と技術革新の基盤をつくろう
10人や国の不平等をなくそう
11住み続けられるまちづくりを
12つくる責任つかう責任
13気候変動に具体的な対策を
14海の豊かさを守ろう
15陸の豊かさも守ろう
16平和と公正をすべての人に
17パートナーシップで目標を達成しよう

日本では、2016年12月に政府が「持続可能な開発目標実務指針」を公表し、2017年10月には外務省が「ジャパンSDGsアワード」を創設。さらに、2017年11月には経団連がSDGsを踏まえた新たな「企業行動憲章」を発表しました。

なので、日系企業の間でもSDGsへの認識が高まり、具体的な取り組みも始まってきているという状況だと思います。

17の目標を見てぼくが、思うのは、

日本という国に住んでいると、当たり前のようなことが、世界の国々を見渡すと当たり前ではないということ。日本は基礎的な豊かさということについて、非常に恵まれていているのだと、いうこと

他方、世界の半分の人たちは、いまだに、1日、2ドルくらいで生活していて、とてもたくさんの場所で、働いたからといって、貧困から脱出することが保証されていない。

このような現実を、変えるために、各国の政府や企業がSDGsに取り組んでいくことはすばらしいことだ!と思います。

ぼくたち個人としても、自分の会社や日本だけを良くするとい方向で物事を考えるのではなく、日本を超えて世界の課題を解決する、良くする、という発想で物事を考える必要が、今、あるのではないか。

ということです。

ESG投資とSDGsの関係

以下の図は、GPIFのホームページに載っていたものです。ESG投資とSDGsの関係を端的に表していると思います。

社会的な課題解決が事業機会と投資機会を生む。

ESGという用語が使われるきっかけとなったPRI(Principales for Responsible Investment)とSDGsは、共に国連が主導するイニシアティブです。

インベストメントチェーンの開始点である「アセットオーナー」、それから「アセットオーナー」のために働く「運用会社」向けのPRI、それから最終的な投資先となる「企業」が事業活動を行っていく際に考慮すべきSDGs、これらの2つのイニシアティブは、持続可能な社会を実現するのために車の両輪であると言えます。

SDGsは、企業にとって事業活動を行う場合に、考慮すべきものです。

自分たちのビジネスにおける各領域と17の目標とターゲットの関係を検討して、自分たちが最も貢献できるエリアを特定し、方針を決定し、プロセスに落とし込んでいきます。

これをしっかりやっている企業は、ESGに配慮した経営をしているということで、ESG投資の観点から高い評価を得ることになります。

その結果、例えば、ESGインデックスに入ったり、ESGを配慮した運用戦略において、高めの投資ウェートとなり、資金調達コストが安くなるという正の効果が期待されます。

さらには、ESGに配慮した経営を行うことで中長期的な経営リスクを回避し、また、ビジネスチャンスを獲得することができる可能性があります。

多くの機関投資家がPRIに署名を行い、ESG投資に対するコミットメントを表明しています。そのことが、企業によるESGを配慮した経営戦略の導入にプレッシャーをかけていることは間違いないでしょう。

以下の記事で「世界の課題解決におけるPRIの意義」についても説明したので、まだ見ていない人はどうぞ。

ESG投資シリーズ② なぜ欧米諸国でESG投資が普及したのか?

あと、上記のGPIFの図にCSVという用語が乗っていたので、調べました。
CSV (Creating Shared Value)は、2011年にハーバードビジネススクールの教授であるマイケル・E・ポーター氏とマーク・R・クラマー研究員が発表した論文『Creating Shared Value』で提唱されたものということです。CSVは、社会的な課題の解決を、企業にとって負担になるものではなく、社会的な課題を自社の強みで解決することで、企業の持続的な成長へとつなげていく差別化戦略としてとらえます。

まとめ

  • SDGsとPRIは、持続可能な社会を達成するための車の両輪。
  • PRIは機関投資家の投資行動にESGを加味することを要求するもの。
  • SDGsは企業が企業経営におけるESGを考えるときの指針となる世界の共通目標。
  • PRIとSDGsによって、アセットオーナーから始まり、投資先企業で終わるインベストメントチェーンに、ESG要素を考慮させるインセンティブが組み込まれていくことになる。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です