ポートフォリオ理論をわかりやすく解説(2)- リスク(標準偏差)とは?

ポートフォリオ理論をわかりやすく解説(1)- リターン(期待収益率)とは?で投資におけるリターンの考え方について、解説しました。読んでないかたは確認お願いします。

今回は、投資におけるリスクについてみていきます。

投資におけるリスクとは?
リスクというと、損をする危険度、というような意味合いで使われることもありますが、投資におけるリスクとは、投資リターンの変動(ブレ)のことをあらわします。

リターンの変動幅が小さいことをリスクが低い、リターンの変動幅が大きいことをリスクが高いといいます。

このような投資リターンの変動(ブレ)を図る指標が、「標準偏差」といわれる統計学上の考え方です。

リスク(標準偏差)を計算してみる
前回、次ような前提において、「期待収益率」を計算したところ2%となりました。これをケース1とします。

(ケース1)
1) 収益率の予測
好況 20%
普通 5%
不況   – 20%
2) 好況、普通、不況になる確率
好況 30%
普通 40%
不況     30%

次に、「期待収益率」が前回と同じ2%になりますが、好況時、不況時の収益率の予測が異なる場合を仮定してみます。これをケース2とします。

(ケース2)
1) 収益率の予測
好況 40%
普通 5%
不況   – 40%
2) 好況、普通、不況になる確率
好況 30%
普通 40%
不況     30%

ケース1とケース2のどちらの投資がリスクが高いといえるでしょうか?

それぞれのケースについて、リスク(標準偏差)について、計算してみます。

ケース1
① 各ケース(好況、普通、不況)の収益率と期待収益率2%との差をすべて2乗して、各ケースの確率を掛けて合計すると「分散」が計算されます。
(20-2)^2×0.3+(5-2)^2×0.4+(-20-2)^2×0.3=246
② 「分散」は2乗されている数値なので、平方根(√)を求めると15.68(%)

ケース2
① 各ケース(好況、普通、不況)の収益率と期待収益率2%との差をすべて2乗して、各ケースの確率を掛けて合計すると「分散」が計算されます。
(40-2)^2×0.3+(5-2)^2×0.4+(-40-2)^2×0.3=966
② 「分散」は2乗されている数値なので、平方根(√)を求めると31.08(%)

ケース1とケース2で「期待収益率」2%と同じです。

しかし、ケース1のリスク(標準偏差)が15.68%であるのに対してケース2のほうは、31.08%になっています。

そのため、ケース2の方が、投資におけるリスク、すなわち「期待収益率」のブレが大きいことになります。投資のリスクについて、「ボラティリティ」という言葉をつかったほうがしっくりくるかもしれません。

知っておきたいリスク(標準偏差)のルール
期待収益率の変動が正規分布に従うと想定すると、標準偏差の1倍の範囲、2倍の範囲になる可能性が以下のようになることが分かっています。

期待収益率 ± 1×標準偏差内に、収益率が含まれる可能性が68%
期待収益率 ± 2×標準偏差内に、収益率が含まれる可能性が95%

2%となる可能性が一番高いのですが、期待収益率がブレる可能性が当然あります。
ケース1の場合では、
68%の確率で、-13.68% ~17.68%の間に収益率が含まれる
95%の確率で、-29.68%~33.36%の間に収益率が含まれる

ケース2の場合では、
68%の確率で、-29.68% ~33.08%の間に収益率が含まれる
95%の確率で、-60.76%~64.16%の間に収益率が含まれる

ということが言えます。

リスクというと、損失が生じる方向だけのことを言うようイメージがありますが、投資の世界でのリスク(標準偏差)は、ブレを表すものなので、マイナス方向たけでなくプラス方向にもブレる可能性があるものです。

「リスク(標準偏差)」を減らすこととは、ダウンサイドを減らすだけでなく、アップサイドの可能性も減らすということを意味します。

現代ポートフォリオ理論では、様々な資産を組み合わせることで、「リターン(期待収益率)」「リスク(標準偏差)」の最適な組み合わせを目指します。

現代ポートフォリオ理論を理解するために必要な、「リターン(期待収益率)」「リスク(標準偏差)」を今回までで、確認しました。

投資のリターン、リスクについて、理解できたでしょうか?

次回は、「相関係数」についてみていきたいと思います。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です